2020/06/08

黒タニ

大自然からしかできない香りがあります。

それが沈香と呼ばれる香木です。

沈水香木とも呼ばれており、字から察するように

水に沈む香木から名前が付いてます。

沈香は沈丁花の木に外的要因で傷を負ったりして

そこの傷口を治すように樹脂が集まってきて

固まった所が沈香になります。

沈香になってから年数が経てば経つほど

そのタールのような固まりは少しずつ広がり

香りも良くなっていきます。

 

 

今回は偶然にもおそらく40年以上は経っているであろう

と思われる沈香木を入手致しました。

沈香には科学的な定義がありません。

そのため、買い手が沈香だと思って買えばそれが

通ってしまうくらい曖昧な事が起きてしまいます。

私どもは、そういった事がないように

正式なルートから沈香を仕入れるように心掛けております。

香原料を扱っておられる長川仁三郎商店さんは

長年の経験と確かな香りの判別から沈香を選別されており

私どもの沈香に対する考え方は長川さんから教えてもらったものです。

 

さて、今回ご紹介させていただきたいのは

黒タニというインドネシア産の沈香木です。

 

 

見るからに黒いです。

ここまで沈香の樹脂が凝縮されるのに一体何年かかってるのでしょうか。。。

近年、沈香木は減少しており、沈香になっていると

すぐに切られてしまうと聞いております。

もちろん早く採取された沈香は香りも質もそこまで良くなりません。

香木のファンからすると悲しい現実です。

でも完全に無くなってるわけではないのでそこは

一期一会の香木との出会いに期待しましょう。

 

 

側面から見た写真です。

大きさは横に4~5cmといったところです。

どこから見ても黒いです。

ただ、この見た目でも水に沈まないようです。

今の時代、水に沈むような沈香は滅多にないみたいです。

(名前の通り沈まないのかという疑問はおいといて)

 

次に焚いてみます。

削ってみたところ、そこそこ固い感じがします。

 

 

勿体無いので銀葉の上でゆっくりと焚いてみました。

 

 

温めてすぐにフワっと濃い沈香の香りが

鼻を突き抜けてきました。

かなり濃いです!

タニ沈香の力強さが凄く出ています。

辛味が表面に出ているため力強さをより感じます。

辛味だけではなく苦味・甘味・酸味が合わさってるためか

上品な香りが部屋全体に広まってます。

残り香も素晴らしいくらい部屋全体に沈香の上品な香りが

残っております。

これでお客様をお出迎えできたら最高のおもてなしになります。

 

玄関先に飾っておくのも良いですね。

香木のインテリアも飾り方によっては凄くオシャレですね。

横に香炉を置いて、大事なお客さまを香りと見た目で

優雅なお出迎えもできます。

他にも、和室があれば床の間に飾ると高級感溢れますね。

畳の部屋とか、応接間(お客さんをお迎えする部屋等)とか

置いてみても良いです。

 

勿論、香木ですから焚いて香りを楽しみましょう。

時の権力者が好んで焚いていた香木・・・

今の時代になって私たちが焚けるようになったのも

あまり知られていない香りですが、

時間をかけて香りを楽しむのも

心落ち着かせて、精神集中にもなるので

一度焚いて欲しい一品ですね。

 

今回紹介した黒タニ

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