2023/04/13

お香原料

皆さんは、お香の原料に漢方薬が使われているのをご存知でしたか?

 

お香原料

 

お香の調合は奈良時代に鑑真和上が渡日した時に薬の調合と一緒に伝えたそうです。

 

丸薬などの薬を調合するために持って来た漢方薬をお香の調合にも使った事により、

『医香同源』、薬とお香の原料は同じだと伝えられております。

 

お釈迦様がお好きであった沈香の香りをより良くするために、調合は考えられたと言われています。

 

お釈迦様とお香

 

当時はお香を調合するのに必ず入れる物として、沈香、白檀、丁子、かっこう、

安息香(龍脳)が使われたそうです。

勿論、現代にもその調合の考えが口伝され、残っております。

 

お香の原料は漢方薬の中でも1番品質の良い物、

医療で使われる物より上の物を使います。

何故かと言うと、品質が悪いものでは香りも出ませんし、仏様にお供えする物には、

1番の物をという考えがあるからです。

仏壇をお持ちになっていたらご存じだと思いますが、お供えのご飯でも炊き立ての1番をお供えし、

いただき物は先にお供えしてから次に自分達でいただきます。

そういった考えからも、お香の成り立ちがわかります。

 

前置きが長くなりましたが、いつきで扱う天然香原料も、品質が特に良い物を扱っております。

これは、香原料を海外から厳選して仕入れ、

検品技術にも長けている長川仁三郎商店さんから分けていただいています。

香原料の単体だけ焚くととてもスパイシーであったり、香りがきつい物もあります。

しかし、これを調合することにより素晴らしい香りへと変化します。

 

お香の調合

 

沈香単体で焚くよりも、漢方薬でより良く味付けするように調合すると、

沈香が持っている香りを更に深くできます。

 

また、最近では香りに対する考え方が様々になってきています。

白檀を主体に考えられたり、アロマのようなハーブ系であったりと多種多様な香りが増えてきました。

お香✖︎アロマ、東洋の香り✖️西洋の香りといった融合も面白い香りになりそうです。

 

プロのお香屋さんが代々引き継がれた調合の品は素晴らしいですが、

最近では個人で調合して自分の香りを作るという傾向も増えています。

自分で香原料を調合することによりお香屋さんの作られる香りの奥深さを再認識できると思います。

 

香りというものは本当にさじ加減ひとつで変わってしまいます。

自分の香りを作られる時は先に何を混ぜるか調合表を書いてから作られると良いかと思います。

その調合表を見てできた香りがイマイチでしたら、そこに更に何かを追加するのではなく、

一から調合表を書き変えて作って前のものと比べると香りの違いが分かり易いと思います。

その中で、試行錯誤を繰り返すうちに、納得できる自分だけの香りに出会えると思います。

 

いつきでは、様々な香原料を販売しておりますので、

是非、自分だけのお香作りにも挑戦していただけたらと思います。