2021/04/01

香木について

香水やお香、アロマテラピー、精油に関わる本の中で「香木の香りが…」「希少な香木が…」

などの言葉が出てきます。

「いったい香木とは何なのか?」「香木にはどんな種類があるの?」と思われている方が多くいると

思われますので香木について説明致します。

香木 沈香

1.香木とは

2.香木の種類や香り、値段

 2-1.沈香

 2-2.伽羅

 2-3.白檀

3.その他の香木

 3-1.和香木

 3-2.赤栴檀

 3-3.パロサント

4.香木の使い方

 4-1.香りを楽しむには

 4-2.香原料として

5.深く香木を知るには

6.香木を手に入れる(買う)には

 

1.香木とは

辞書では、「よい香りのある木のこと」と定義されています。

木に咲く花や葉、樹皮、樹脂に香りがある木のことではなく、

木の木材部分自体によい香りがあるものを香木といいます。 

日本のお香という観点からいえば、“伽羅”、“沈香”、“白檀”これらの香木は欠かせない

お香の原料とされています。

昔ながらのお香は、伽羅・沈香の香りをより良くするために、白檀や漢薬をバランスよく調合しており、

お香を作るための調合技術は仏教の伝来と共に中国よりやって来たといわれています。

香りのする木は他にもあります。日本では、浴槽に使われる“ひのき”や抗菌力がある青森の“ひば”、

樟脳の“くすのき”などです。

ほかには、香道で使用されることのある“赤栴檀”、ペルーの聖なる樹といわれる“パロサント”など

世界には様々な香りのする木があります。

 

香木にはどんな種類があって、どんな香りで、いくら位の値段なのか深く見たいと思います。

 

2.香木の種類や香り、値段

2-1.沈香(英名:agarwood)

沈水香木を略称して沈香と呼びます。沈丁花科の常緑高木で、枝が折れたり害虫に食べられたりすることで

損傷部分を補強するように香りがある樹脂を木の中に作り出します。

この部分が沈香にあたります。

時を経て樹脂分が多くなるほど上質なものが多く、体積の一定を超えると水に沈むことから水に沈み、

香りがする木ということから「沈水香木」と呼ばれています。

産地としては、中国の海南島からベトナム、インドのアッサム地方、南はインドネシアまで

東アジアの広範囲にわたって産出されます。

種類は大きくインドシナ半島のベトナム、タイ、ラオス、カンボジア周辺に産出されるシャム沈香と

インドネシア、マレーシア周辺に産出されるタニ沈香の2種類に分けられます。

香りは産地などにより様々で、どれ程の香りの種類があるか解明されていないようです。

香りの特徴をシャムとタニで分けるとすれば、シャム沈香の香りは甘味や酸味が際立った香りで、

タニ沈香の香りは辛味や苦味が際立った香りに分かれます。

価格は品質により大きくバラつきがあり1gが100円~5,000円(2021/04/01現在)あたりが相場になっています。

香道では六国五味(りっこくごみ)という言葉があります。

こちらは、沈香を分類する指標となるもので、六国は採れる場所により種類を“伽羅”(きゃら)、“羅国”(らこく)、

“真那加”(まなか)、“真南蛮”(まなばん)、“寸聞多羅”(すもたら)、“佐曽羅”(さそら)の6種類に分類するものになり、

五味は香りを味覚的に甘、辛、酸、苦、鹹(しおからい)で表現するものになります。

香木 沈香

 

沈香についてもう少し深く知りたいかたは下記よりコラムへ

 →沈香のコラムへ

 

2-2.伽羅(きゃら)

伽羅は沈香の一種であり、沈香の中でも最高級品になります。

産地としてはベトナムの中でも中南部の地域にしか産出されず、

現在では全て取りつくされ出てくることは殆どないと言われています。

また、沈香の研究が進み伽羅を人工的に栽培しようとする試みも行われています。

種類は緑油、紫油など数種類存在し、緑油と名が付くものが多く産出されていました。

香りは沈香の中でも別格で、濃厚であり人を魅了する香りです。

香道で伽羅は、沈香の香りを表現する五味のすべてを感じる事のできる、調和がとれた最高品であるとしています。

価格は品質により大きくバラつきがあり1gが30,000円~60,000円(2021/04/01現在)あたりが相場になっています。

中国での相場はこれ以上に高値が付いていたことがあります。

正倉院にある蘭奢待は伽羅であると昔の文献に書かれておりますが、伽羅ではないという文献もあり、

謎が多い香木です。

 

香木 伽羅

 

2-3.白檀(英名:sandalwood)

他の植物の根に寄生して養分を吸収する半寄生植物で、

仏像や数珠、扇子、ブレスレットなどの彫刻やアクセサリー、香水にも使用されています。

産地はインド、インドネシア、オーストラリア、バヌアツ、フィジーなどの周辺に産出されています。

白檀は近年、需要が高まり価格の高騰しているため現在ではオーストラリア、

アフリカなどのプランテーションで老山白檀が作られていると聞きます。

種類は産地によって分かれており、インドのマイソールで産出される老山白檀が最高級品とされています。

香りも産地によりさまざまですが、甘味と苦味、酸味がある落ち着きのある香りです。

老山白檀の香りが白檀の中でも良質で、甘味の中にほろ苦さを感じる濃厚な香りで、

フィジー産は酸味が多く新緑の青い香りが広がるなど、香りの筋は同じですが産地などにより香りが変わります。

価格は品質や産地により変わり、1gが20円~170円(2021/04/01現在)あたりが相場になっています。

香木 白檀

3.その他の香木

3-1.和香木

和香木とは日本に存在する香木を指します。

香道の流派の中には鼻休めに和香木を使用することもあると聞きます。

種類は、檜(ひのき)、欅(けやき)、檜葉(ひば)、楠(くすのき)、杉(すぎ)などがあり、

産地によっても香りが変わるようで、吉野の杉や檜は香りが良いと言われています。

和製精油の人気が少しずつ出ており、和香木の精油も作られています。

 

3-2.赤栴檀(しゃくせんだん)

赤栴檀は、なんの植物なのか謎につつまれた香木です。

香道では佐曽羅として使用している流派もありますが、世の中にほとんど出回っておらず、入手は困難です。

 

3-3.パロサント

パロサントとは、エクアドルやペルー周辺が原産の聖なる樹と呼ばれている香木です。

古代インカ帝国よりシャーマンが除霊や浄化などで使用していました。

現代でもスピリチュアルの浄化グッズとして大変人気があります。

香りは甘味と酸味の効いた香りがし、焚くとスパイシーな香りが広がります。

南アメリカには2種類のパロサントと呼ばれる木があり、どちらも良い香りがします。

建材にも使われる方のパロサントは乱伐により絶滅の危機に瀕したため

ワシントン条約の保護対象となっています。

そのため、ここで紹介している浄化などに使用されるパロサントも

ワシントン条約の保護対象と間違われることが多いようです。

 

4.香木の使い方

4-1.香りを楽しむには

少量の香木で香りとじっくり向き合うのであれば、香道のように聞香炉を使用して香りを楽しむのが良いでしょう。

部屋全体に香りを満たすのであれば、焦げないように香木を熾(おこ)した炭の側に置いて空薫(そらだき)を楽しむか、

炭の上に刻んだ香木を載せて焼香を行い、煙と共に香りを楽しむのが良いでしょう。

空薫であれば、純粋な香木の香りが楽しめ、焼香であれば高温でこそ感じる事の出来る香りが楽しめます。

香木の焚き方

 

4-2.香原料として

伽羅、沈香、白檀はお香を作る原料としても使用されています。

米粒ほどに刻んだ香木は焼香や匂い袋などに、粉末状にしたものは線香や練香などに、

更に細かいものは塗香の製造に使われています。

海外では沈香や白檀から精油を取り出して香水などに使用しています。

 

5.深く香木を知るには

実際に香木に触れ、香りを聞く(※1)ことをお勧めします。

香木本来の香りを知りたいのであれば、線香や練香などの調香された香りを聞いてみるのではなく、

香木そのものを焚くことが大事です。

様々なところで香木が販売されていますので、良い香りを探してみてはいかがでしょうか。

 

6.香木を手に入れる(買う)には

伽羅、沈香、白檀を手に入れるには、注意が必要です。香木は高価であるため、

高級ブランドと同じように偽物や粗悪品が多く出回っています。

購入するのであれば、古くからある香木を取り扱っているお香屋さんで購入をお勧めします。

 

でもどこで香木を買えば良いか迷っている方はぜひ“いつき”をご利用ください。

いつきでは沈香や白檀を複数取り扱っております。

いつきは複数の大手線香メーカーに沈香や白檀、漢薬などを卸されている長川仁三郎商店さんより

香木を仕入れており、香りの品質は間違いありません。

 

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※1 聞く:お香の世界では香りを嗅ぐことを「香りを聞く」といいます。